ゲノムの解析と医療への応用
<ゲノムとは>
ゲノムとは、生物に必要な遺伝情報を記したDNAの総体をいいます。それは、ヒトの体を構成している60兆個の細胞の核の中にあり(一部はミトコンドリアにある)、DNAの長さは約2mあります。DNAは、塩基、糖、リン酸を単位とした高分子物質で二重らせんの構造をしており、塩基は4種類(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)から成り、そのならび(配列)が、遺伝情報を記す文字に相当します。遺伝情報を構成する塩基対は30億文字となります。
DNAの中でタンパク質の合成のための情報となっている部分を遺伝子といい、遺伝子の部分はDNA全体の5%くらいで4万くらいと考えられています。DNAの塩基配列には、タンパク質合成の情報となる「遺伝子の部分」以外に、「遺伝子を制御する部分」と「意味がよくわかっていない部分」が含まれています。
1991年、ヒトのDNAに書き込まれている文字の配列すべてをつきとめるための国際プロジェクト、「ヒトゲノム計画」がはじまりましたが、現在では、ヒトゲノムの塩基配列の解読は完了しています。
ゲノムとは、生物に必要な遺伝情報を記したDNAの総体をいいます。それは、ヒトの体を構成している60兆個の細胞の核の中にあり(一部はミトコンドリアにある)、DNAの長さは約2mあります。DNAは、塩基、糖、リン酸を単位とした高分子物質で二重らせんの構造をしており、塩基は4種類(アデニン、グアニン、シトシン、チミン)から成り、そのならび(配列)が、遺伝情報を記す文字に相当します。遺伝情報を構成する塩基対は30億文字となります。
DNAの中でタンパク質の合成のための情報となっている部分を遺伝子といい、遺伝子の部分はDNA全体の5%くらいで4万くらいと考えられています。DNAの塩基配列には、タンパク質合成の情報となる「遺伝子の部分」以外に、「遺伝子を制御する部分」と「意味がよくわかっていない部分」が含まれています。
1991年、ヒトのDNAに書き込まれている文字の配列すべてをつきとめるための国際プロジェクト、「ヒトゲノム計画」がはじまりましたが、現在では、ヒトゲノムの塩基配列の解読は完了しています。
<タンパク質と疾患との関係>
タンパク質は、20種類のアミノ酸が結合してできた高分子物質で、生体に存在するタンパク質の種類は2万数千種類以上があります。物質代謝を行っている酵素、インスリンなどの多くのホルモン、血球中にあり酸素を運ぶヘモグロビン、抗体として働いている免疫グロブリン、筋肉の成分であるアクチン・ミオシンなどタンパク質は、生命活動に重要な働きをしています。
タンパク質は、DNAの遺伝情報をもとに作られます。そのため、DNAの遺伝情報、すなわち塩基の配列のわずかな異常でも、異常なタンパク質ができたり、該当するタンパク質が全くできなかったりして、それが病気の原因にもなります。
DNAは、後天的にも種々の原因によって、絶えず損傷を受けていますが、細胞にはそれを修復する機構を持っています。しかし、DNAの傷を修復できないと、がんなどの病気の発症を許すことになります。
タンパク質は、20種類のアミノ酸が結合してできた高分子物質で、生体に存在するタンパク質の種類は2万数千種類以上があります。物質代謝を行っている酵素、インスリンなどの多くのホルモン、血球中にあり酸素を運ぶヘモグロビン、抗体として働いている免疫グロブリン、筋肉の成分であるアクチン・ミオシンなどタンパク質は、生命活動に重要な働きをしています。
タンパク質は、DNAの遺伝情報をもとに作られます。そのため、DNAの遺伝情報、すなわち塩基の配列のわずかな異常でも、異常なタンパク質ができたり、該当するタンパク質が全くできなかったりして、それが病気の原因にもなります。
DNAは、後天的にも種々の原因によって、絶えず損傷を受けていますが、細胞にはそれを修復する機構を持っています。しかし、DNAの傷を修復できないと、がんなどの病気の発症を許すことになります。
<遺伝情報の個人差と「テーラーメイド医療」の可能性>
ヒトとチンパンジーのゲノムの塩基配列の違いは1〜2%で、ヒトの間での個人差は、ゲノム全体の0.1%といわれています。その個人差はたったひとつの塩基の配列の違いでも起こることから、「単一塩基変異多型(SNP=Single Nucleotide Polymorphism:スニップ)」と呼ばれています。
あるくすりの有効率が70%とすると、70%の患者は効きますが30%の患者は効かないということですが、効くか効かないか、副作用が出るか出ないかはくすりを投与してみないと分かりません。SNPがくすりの有効性や副作用の発現および疾患に罹りやすい体質などに関係しています。
患者毎のSNPを調べて、各個人に合ったくすりを選んだり、適切な投与量を設定したり、また、的確な生活指導をすることにより、無駄なくすりを服用したり、副作用で苦しむことを少なくできる可能性があり、「テーラーメイド医療」とよばれて注目されています。
ヒトとチンパンジーのゲノムの塩基配列の違いは1〜2%で、ヒトの間での個人差は、ゲノム全体の0.1%といわれています。その個人差はたったひとつの塩基の配列の違いでも起こることから、「単一塩基変異多型(SNP=Single Nucleotide Polymorphism:スニップ)」と呼ばれています。
あるくすりの有効率が70%とすると、70%の患者は効きますが30%の患者は効かないということですが、効くか効かないか、副作用が出るか出ないかはくすりを投与してみないと分かりません。SNPがくすりの有効性や副作用の発現および疾患に罹りやすい体質などに関係しています。
患者毎のSNPを調べて、各個人に合ったくすりを選んだり、適切な投与量を設定したり、また、的確な生活指導をすることにより、無駄なくすりを服用したり、副作用で苦しむことを少なくできる可能性があり、「テーラーメイド医療」とよばれて注目されています。
<ゲノム情報の解析と新しいくすりの探索>
新しいくすりを探索して開発することを創薬といいます。
日本の大手製薬企業の研究所において、多くの新薬候補化学物質の中から新薬が誕生する確率は、1/12,000くらいで、新製品1品目当たりの研究費は200〜300億円といわれ、膨大な費用と年月がかかっています。
創薬は時代の技術革新とともに図のように変遷してきました。
ゲノムの解析が進み、疾患と関連する遺伝子の同定や疾患と関連するタンパク質の解析によって、それに関与する新薬のデザインを研究することにより、これまで効果的な治療法がなかった疾患に対しても画期的な新薬誕生の可能性が期待されています。
新しいくすりを探索して開発することを創薬といいます。
日本の大手製薬企業の研究所において、多くの新薬候補化学物質の中から新薬が誕生する確率は、1/12,000くらいで、新製品1品目当たりの研究費は200〜300億円といわれ、膨大な費用と年月がかかっています。
創薬は時代の技術革新とともに図のように変遷してきました。
ゲノムの解析が進み、疾患と関連する遺伝子の同定や疾患と関連するタンパク質の解析によって、それに関与する新薬のデザインを研究することにより、これまで効果的な治療法がなかった疾患に対しても画期的な新薬誕生の可能性が期待されています。
本社DI室 薬剤師 久田 保彦
Producer:Kengo Tozawa/Supervisor:Miho Hori





